新4年生向けの研究室紹介
はじめに
このページでは、新4年生の配属研究室選択の参考のために、尾下研究室での卒業研究について簡単に説明します。
卒業研究を尾下研究室で行うためには、知能情報工学科(2018年度以降入学)の学生である必要があります。
大学院の研究については、研究室紹介のページ の説明を参照してください。
もし、より詳しく聞きたいことなどがあれば、遠慮なく、オフィスアワーの時間帯に尾下の教員室(W623)に質問に来るか、学生の研究室(N609-1)に質問に来てください。電子メール(本ページの末尾参照)で質問してもらっても構いません。
※ 現在は、新型コロナウィルス感染症対策のため、オフィスアワーは実施していません。まずは電子メールで質問してもらえれば、必要に応じて、オンライン面談を実施することも可能です。
卒業研究の進め方
卒業研究は、4年生の前期・後期の1年間を通じて履修する科目となっています。
本研究室での卒業研究の進め方は、以下の通りです。
前期
前期中は、以下のような基礎的な勉強を行ってもらいますが、最低限の基礎勉強が終了した時点で(5月中旬頃)、卒業研究のテーマを大まかに決めます。これは、具体的な目標があった方が、基礎的な勉強を進めやすいからです。
- C++プログラミング演習
- アニメーションプログラミング基礎演習
- 英語論文読解(基礎的な英語論文を読んで理解する)
- 卒業研究テーマの設定(参考文献の調査を含む)
- アニメーションプログラミング応用演習
- 卒業研究のためのデータ収集・実験課題
- プレゼンテーション(前期中に行ったプログラミング開発・実験課題の成果を発表)
基礎的な勉強として、上記の 1~3 の内容は、全員に同じ課題に取り組んでもらいます。
まずは、研究を行うために必要な、基本的なプログラミング技術について勉強します。ここでは、C言語や Java はすでにある程度使うことができるという前提で、C++ やアニメーションに関するプログラミングの基礎を学習します。
また、英語論文読解の課題では、基礎的な英語論文を読んで、理解してもらいます。
発展的な勉強として、上記の 4~7 の内容は、各自の卒業研究テーマに応じた課題に取り組んでもらいます。
まずは、卒業研究テーマを、指導教員と相談しながら考えて、設定します。
このとき、必要に応じて、参考となる論文を読んで理解することになります。
その後、卒業研究テーマに応じて、応用的なプログラミング課題に取り組んでもらいます。
また、卒業研究で必要となるデータ収集や基礎実験に取り組んでもらいます。
最後に、前期中に行った内容のまとめとして、プレゼンテーションを行ってもらいます。
前期中に、上記のような内容を通じて、文献などを自分なりに調べて新しい知識を学習する能力、プログラムを自力で開発できる能力、プレゼンテーション能力などを身につけることを目標とします。
後期
後期には、前期中に決めた卒業研究テーマにもとづいて、前期中に勉強した既存の技術や開発した基本的なプログラムをベースとして、未解決の課題を解決するような新しい手法を研究します。
たとえ卒業研究であっても、研究である以上、「いままで誰もやったことのない新しいことをやる」ということが重要です。新しいことをやるのですから、当然、誰も答えを知りません(指導教員も答えを知りません)。
卒業研究では、このような未知の課題を、指導教員と相談しながら、自分なりに関連知識を勉強し、仮説を立て、プログラムによる実験を行ったりしながら、解決していきます。
実は、社会に出ると、この「答えを誰も知らない」というのは日常茶飯事です。むしろ、これまでの大学の授業のように、教科書に答えが載っていることのほうが珍しいと言えます。
卒業研究では、単に自分の研究テーマに関する知識を勉強するだけではなく、このように未知の課題にぶつかった時に、自分なりにそれを解決していく基本的なやり方を身につけます。このような能力は、研究テーマと直接的には関係ないような企業に就職しても、必ず役に立つでしょう。
研究テーマ
本年度の卒業研究テーマの例として、下記のようなものを考えています。
- キャラクタの自律動作制御
- キャラクタの操作インターフェース
- 動作データの作成・変形・編集技術
- アニメーション制作システムの開発・応用
- 動作解析・可視化技術
- 深層学習技術の応用
- 仮想現実(VR)・拡張現実(AR)応用
各研究テーマについては、システム創成特論で説明した内容や、研究テーマ紹介のページを参考にしてください。
上記以外でも自分のやりたいことがある人は、是非、積極的に申し出てください。コンピュータグラフィックスや関連分野の内容であれば、できる限りサポートします。
研究室の方針
卒業研究では、基本的に、それぞれが指導教員と相談しながら自分の研究テーマを進めて行きます。
週に1回程度のゼミを行います。ゼミは全員参加です。
各自、ゼミの前までに、研究の進捗状況をまとめた資料を作成・提出してもらい、その資料をもとに、ゼミでの討論や、研究の進め方のアドバイスを行います。
ゼミ以外の時間については、各自の進捗状況に合わせて、指導を行います。
研究が順調に進んでいる人については、ゼミ以外の時間は基本的に自由としますので、各自のペースで研究を進めて構いません。
一方、研究が遅れている人や、プログラミングなどの問題で詰まっている人については、個別に面談を行うなど、細かく指導を行うようにしています。
本研究室では、国際交流に力を入れています。
将来、学生のみなさんが仕事をするときにも、外国の人達と仕事をする機会はますます多くなってくるかと思いますので、できるだけ、言語や文化の異なる人達との仕事に慣れる機会を用意するようにしています。
積極的に留学生を受け入れていますので、研究室内で留学生と交流をしたり、研究の一部を一緒に行ったりすることができるでしょう。
また、マレーシア工科大学などの交流協定校との交流を行っており、短期交換留学として、先方の学生をしばらくの間受け入れて、共同研究を行ったりしています。
希望があれば、本学の学生が、先方の大学に留学して、研究活動を行うこともできます。
就職
研究室の過去の卒業生の就職先としては、知能情報工学科の学生を受け入れているのは2018年度入学生からですので、どのような業種や企業が多いかは、まだあまり情報がありません。
基本的には、システムエンジニアやプログラマなど、情報系の企業に就職することになるでしょう。
メディア情報学の研究室ということで、ゲーム制作会社などのコンテンツ制作企業に就職する人が多い、というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際には、そういった分野は求人が少ないこともありますので、一般的な情報系の企業に就職する人達が多いかと思います。
ただ、今後はそういったメディア情報学に関連する分野に就職する人達も増えてくるかもしれません。
本研究室の卒業生で、ゲーム制作会社に就職している人達もいます。
就職活動については、基本的には本人の努力次第になりますが、指導教員による就職支援として、本人の希望に応じて、就職に関する相談、エントリーシートの添削、面接練習などを行います。
本研究室の特徴としては、研究を通じて、プログラミング技術を修得したり、積極的に学会で研究発表をしてもらったりしますので、順調に研究が進めば、例えば、どのような高度なシステムを自力で開発しましたとか、どのような研究を行ってどの国際会議で発表しました、といったアピールができるようになることが期待できるでしょう。
コンテンツ制作企業への就職活動では、エントリーシートに加えて、これまでに自分が制作したコンテンツを提出したりすることが求められますので、そういった相談に乗ることもできるでしょう。
研究環境
卒業研究は、特別なハードウェアや高性能なPCを必要としない研究テーマであれば、各自の BYOD 端末を使用して、進めることができます。
尾下研究室では、1人当たり1個の机と、研究用の比較的高性能なパソコンを1人1台、割り当てて使えるようにしていますので、研究室に来て、BYOD端末や割り当てられているPCを使用して研究することもできます。
また、研究室には、ゼミ用の大机・液晶プロジェクタ・スクリーンが設置されており、必要に応じていつでもゼミなどを行える環境が整っています。
本研究室には、モーションキャプチャシステム、データグローブ、高解像度カメラなどの研究設備が整っており、最先端の研究を行うことができます。
また、本研究室では、研究用データ作成のために、プロ用のアニメーションソフト(3ds Max, Softimage XSI/3D, Animanium, LightWave, Shade)、動画編集ソフト(Premire, After Effects)、画像編集ソフト(Painter, Photoshop, Illustrator)、各種素材集などを用意しています。これらのソフトは自由に使えますので、CGやアニメーションの製作、関連業界への就職などに興味がある人は、これらのソフトの使い方なども学習することができます。
尾下研究室、及び、本サイトへのお問い合わせは、以下のアドレスまでお送りください。