[尾下研究室][研究テーマ] | [English] |
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入力動作 |
通常の状態で追従制御 入力動作がほぼそのまま実現される |
背中に荷物を背負った状態で追従制御 負荷軽減・バランシングのための制御が行われる |
近年、コンピュータゲームや仮想スタジオ、Virtual Reality などの分野において、ユーザの操作に応じて、リアルタイムに人間のアニメーションを生成することが要求されている。現在、これらのアプリケーションでは、あらかじめ作成しておいた動作を連続的に再生することによって、このような要求に対応している。しかし、この方法では、一定の動作を繰り返し再生することしかできず、特に環境からの力学的な影響が加えられた時に、動作が不自然となってしまう。
そのような動作の具体例としては、衝突により動作速度が変化した時の動作、荷物を背負ったりといった負荷に応じた動作、また、バランスを崩しそうになった時の動作、などが挙げられる。このような動作は、特にコンピュータゲーム等では非常に重要であるが、前述のように、現在の技術ではこのようなアニメーションを生成することは難しい。
そこで、本研究では、動力学シミュレーションを用いることで、このような環境からの力学的な影響に応じて、リアルタイムにアニメーションを生成することを目標とする。本手法では、あらかじめ作成された動作をそのまま再生するのではなく、その動作を目標動作として、目標動作に追従するようにキャラクタの関節角加速度を制御し、動力学シミュレーションによって最終的な動作を生成する。その際、基本的には目標動作を追従するように制御し、ある関節に大きな負荷がかかる場合には、関節相互の影響を考慮しながら、その負荷を軽減するような制御を行う。また、バランスを失いそうな場合には、同じくバランスを保つような制御を行う。
従来の動力学シミュレーションを用いた手法が主にアニメーションの生成を目的としていたのに対し、本手法では、すでに存在する動作データをもとに、状況に応じてアニメーションを変化することを目標としている。そのため、本手法は、コンピュータゲームなどのアプリケーションにおいて有用であると考えられる。